カテゴリ:book( 5 )

paternal love.

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「あなたが虚しく過ごした今日という日は
昨日死んでいったものが
あれほど生きたいと願った明日」


みなさん、本を読んでわんわん泣いたことありますか?


あたしは、この「カシコギ」趙 昌仁/著という本を読んで号泣してしまいました。
本を読んで泣いたのは、これが初めてかもしれません。
おかげで昨夜は、目が腫れ上がり、アイスノンで冷やしながら、眠りにつきました。

この物語は、幼くして白血病と闘うタウムと、その父親チョンの父性愛を描いて
います。本書は韓国小説の邦訳なので、初めはどことなく文体があっさりしていて
少し抵抗があるかもしれません。できれば、ストーリーの内容は見ずに、読んで頂きたいです。絶対、そうした方がいいです。

あたしは、文章力も表現力もないので、この感動をみなさんに上手く伝えきれない
ことが一番悔しいです。もし、本屋に立ち寄ったり、「本でも買って読もうかなぁ」と思った際は、是非、この本を思い出して下さい。あたしは、この本を読んで、
自分がしてもらって嬉しい事を、周りのヒトにもしてあげようと思いました。
きっと、読まれた方は今まで気付く事のなかった、特別な思いを抱くことができると
思います。そんな、一冊です。

この先、この本に二度と出逢うことがないヒトの為に、本文をいくつか抜粋させて
頂きますので、良かったら、少しの間お付き合いください。これから、読まれる方には、ネタばれしない程度に引用したいと思いますので、ご安心くださいませ。



「パパは子犬を好きになることはできても、愛することはできないと言ってました」
それに、愛は自分のすべてを与えても惜しくない、命でもねとつけ加えた。
パパの言葉は正しいと思う。子犬のために死ぬことはできないから。
神さまは僕たちを愛したのであって、好きなわけではないと思う。
好きという気持ちだけで、十字架に掛けられて死ぬことはできなかったと思う。

子どもはちゃんとしつけなきゃと、お見舞いに来た人が忠告してくれたことがある。
もっともだ。行儀の悪い子は厳しくしつけなければいけない。
将来ちゃんとした大人になるために。
けれど明日を知らぬ子どもに、しつけは大事なことだろうか。
タウムが父親の手を握り、小声で言った。
「ソンホって、行儀が悪いでしょ」
「痛いからだよ。行儀が悪いんじゃないよ」

カシコギは、不思議な魚なんだ。
ママカシコギは産卵後、どこかに逃げてしまう。
卵たちがどうなろうとかまわないんだね。
パパカシコギが残って卵の世話をする。
卵に襲いかかる他の魚たちと、命をかけて戦うんだ。
寝食を忘れて熱心に卵を守る。
卵は孵化して稚魚たちがぐんぐん大きくなると、子どものカシコギたちは
パパカシコギを捨てて、それぞれ自分の道に行ってしまう。
子どもたちがみんな去ったあと、一人残されたパパカシコギは岩の間に
頭を突っ込んで死んでしまう。
パパカシコギはなぜ死んでしまうんだろう。
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by niceness | 2004-06-23 06:37 | book

Existence value.

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みなさん、ドラえもんの最終回って、どうなるかご存知ですか?

ドラえもんの最終回は、色んな節がいくつかあるんですが、
あたしが聞いた話では、ある日、ドラえもんが動かなくなるそうなんです。


学校の宿題や、ジャイアン達にイジメられるのを、いつも助けてもらっていた
ドラえもんがいなくなり、困ったのび太くんはドラミちゃんに相談します。
そこで、ドラミちゃんは言いました。「修理をすれば、ドラえもんは動く
ようになるけれど、今までの記憶が全部なくなる。」と。


ネコ型ロボットの耳には記憶のチップが埋め込まれており、ドラえもんの場合、
誰かさんに耳をかじられてるので、代わりに、どこか別の場所に埋め込まれて
いるそうなんです。それがどこに埋め込まれてるのかは、ドラエもんを作った
科学者にしか解らず、そのヒトを探しに、タイムマシンで未来に行くことに
なります。

ところが、色んなヒトに尋ねてみるのですが、誰も知るヒトはいませんでした。
結局、ドラえもんを作った科学者に会う事ができず、おうちへ帰って来ました。


それから、のびた君は変わりました。
苦手な勉強も、するようになりました。ジャイアン達に絡まれても、自分一人
の力で回避してきました。そして、無事大学にも入る事ができ、彼は科学者に
なりました。さらに、お風呂大好きっ子の静香ちゃんも、ドラえもんの手を
借りずに、自分の力で落とす(←失礼な言い方、お許しを)事ができ、二人は
やがて結婚をすることになりました。


もう、ここまで読んで頂ければ、お分かりでしょう。
つまり、ドラえもんを作ったのは、未来の科学者である、のび太くんだった
のです。そして、科学者になったのび太くんは、ドラえもんの記憶を取り戻す
ことに成功し、目を覚ましたドラえもんが一言、こう言いました。
「...のび太くん、宿題はもう終わったのかい?」



ー E N D ー



*ここに書いた内容は、第三者から聞いたものを、思い出しながら、大まかに
書いたものなので、本当かどうかは責任を負いかねます。なお、ドラえもんの
最終回について、もっと詳しく知りたい方は、ググッてみて下さい。
書きっぱで、申し訳ございません。 _| ̄|○


あたしは、この話を聞いてヒトは、きっかけがあれば、変われんだなぁと
思いました。他人には、何でもないように見えても、ある個人にとっては、
もの凄く大切だったり、思い入れの強いものだったりという事は日常的にも
良くあり、そういう愛されたものを通して、ヒトの心を追うという手法が、
なんか良かったです。

みなさん今、失いそうなものありませんか?
失う前に、自分にとってどれだけ大切な存在か、又は、どれだけ大事なモノ
であるか、気付くことが出来れば、ラッキーです。しかし、多くのヒトは、
失ってから気付くものです。大抵の場合、そういったものは身近に存在し、
日常的に接しており、又は普段よく使っているものに該当します。

あたしは、昨日いきなり携帯が壊れてしまい(メモリもパーです)、一気に
友達を失いました。そんな、あたしが言うのだから、間違いないです。



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by niceness | 2004-06-06 17:25 | book

sayonara.

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サヨナライツカ

いつもヒトはサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっと裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ

サヨナライツカ

永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
人間は死ぬとき、愛された事を思い出すヒトと
愛した事を思い出すヒトに別れる

私はきっと愛したことを思い出す



辻仁成著「サヨナライツカ」より


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by niceness | 2004-06-03 22:05 | book

It becomes a stone.

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先日、紹介した山田詠美著「番外編・眠れる分度器」の一文は 
「ぼくは勉強ができない」という本から抜粋しました。
もし、機会があれば是非、みなさんにも読んで頂きたい一冊です。

作者の山田詠美さんは、その本のあとがきで、こんな事を言っています。

主人公の時田秀美は高校生だが、私は、むしろ、この本を大人の方に
読んでいただきたいと思う。
何故なら、私は、同時代性という言葉を信じていないからだ。
時代のまっただなかにいる者に、その時代を読み取ることは難しい。
叙情は常に遅れて来た客観視の中に存在するし、
自分の内なる論理は過去の積み木の隙間に潜むものではないのだろうか。
私にとっての高校時代は、もう既に、はるか昔のことである。
そう自覚した時、初めて、私はこの小説を書き始めた。
同じように自覚した大人の方がこれを読んだ時、どのように感じるかを
知りたいなぁと、私は、思う。

しかし、そう思いながらも、私の心は、ある時、高校生に戻る。
あの時と同じように、自分のつたなさを嫌悪したり、
他愛のないことに感動したりする。
そんな時、進歩のない自分に驚くと共に、
人には決して進歩しない領域があるものだと改めて思ったりする。
そこで気付くのだが、私はこの本で、決して進歩しない、
そして、進歩しなくても良い領域を書きたかったのだと思う。
大人になるとは、進歩することよりも、
むしろ進歩させるべきでない領域を知ることだ。 
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by niceness | 2004-06-01 14:39 | book

a plant.

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「それでね、おばあちゃんはあんたにはわかると思うの、そういう感性がね。
植物ってそういうものなの。
ひとりのアロエを助けたら、これから、いろんなね、場所でね、
見るどんなアロエもみんなあんたのことを好きになるのよ。
植物は仲間同士でつながっているの。」

よしもとばなな著 「みどりのゆび」より       
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by niceness | 2004-05-14 02:56 | book