いつもヒトはサヨナラを用意して生きなければならない 孤独はもっと裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい 愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある どんなに愛されても幸福を信じてはならない どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない 愛なんか季節のようなもの ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの 愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ サヨナライツカ 永遠の幸福なんてないように 永遠の不幸もない いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる 人間は死ぬとき、愛された事を思い出すヒトと 愛した事を思い出すヒトに別れる 私はきっと愛したことを思い出す 辻仁成著「サヨナライツカ」より
by niceness
| 2004-06-03 22:05
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